カレリア共和国・雑感 
 
カレリア共和国と言ってもピントこない方々が多いかも知れないが、カレリア共和国(Republic of Karelia)はロシア連邦に属する共和国の一つ。首都ペトロザヴォーツクは、キジー島観光の窓口。人口は70万人。ヨーロッパで2番目に大きな湖オネガ湖畔に位置している。

街の中心エリアは非常に小さく、ペトロザヴォーツクの駅からオネガ湖までの目抜き通りである「レーニン大通り」は、わずか2キロ弱くらい。この街の見所は、「オネガ湖畔通り」で、ホテル・カレリアの裏から歩いて行ける。

首都はペトロザヴォーツクから水中翼船でおよそ1時間の距離にあるキジ島(Kizhi Pogost)は琵琶湖の14倍という広大なオネガ湖に浮かぶ小島がある。この最果ての地に人々が住み、300年も昔に驚くべき建設技術をもって建てられた木像教会がある。湖上の小島の教会としては不釣り合いなほど異様を放ち、世界遺産にも登録されている。 

カレリア共和国は経済的に恵まれた国ではないが、その美しさとコンパクトさにおいてロシア北部で最高の街であるといえる。そして、ちょっぴりヨーロッパらしい雰囲気が感じられる場所であった。興味深いことはその大部分の人々は家族、仕事、あるいはこの北の地のユニークな自然など愛し質素であるものの心豊かに暮らしている点にある。ガイドによれば「人なつっこくてお喋りで、親しくなるとすべてをさらけだしてしまう開放的な性格が特徴」と説明された。実際旅行中に現地の人に身振り、手振りで話しかけると和やかに対応してくれた。

自然との関わりを失ってしまった大都市の住民とは異なり、カレリアの人々にとって自然は重要な役割を果たしていると考えている。「だから、わたしにとってはここで暮らすのが快適なんです」とある農夫は話していた。(ガイドの通訳より)

宗教はロシア正教。アニミズムの影響が根強く、結婚式や葬儀には長くて念入りな儀礼が伴と言う。伝統的に家父長の権限の強い大家族制をとっており、工業化をあまり好まず、現在でも狩猟や漁労、林業、農業などで生計をたてている人々が多い。

こんな田舎の小国であるものの意外に文化的には高いレベルを持っている。ペトロザボーツクのカレリア音楽劇場バレー団には、世界で活躍している日本人バレエダンサーが数多く学んでいる。最近では藤室真央さんが在籍し、活動の拠点にしている。